wonder-papillon.air-nifty.com > Album29 TRU-PLAN Enbrighted 303mmF3.3

大珍品と言うべきか,このTRU-PLAN Enbrighted 303mm F3.3と言うレンズ,実にやっかいな曲者だ。まず,レンズ本体にはメーカー名も一切書いていない。実は,学研オペークプロジェクターに付いていたレンズ。ジャンクなのでプロジェクター本体込みでたった5000円。「オペークプロジェクター」といってもピンとこないだろうが,日本語で「実物幻灯機」あるいは単に「幻灯機」と言えば,年配の方ならご存じだろう。その幻灯機のレンズなのだ。

見た感じ3群3枚のトリプレットタイプのようで,303mmという実に半端な焦点距離に開放F値が3.3とこれまた実に中途半端。それにしつこいまでに3という数字が並ぶ。どうせなら焦点距離も333mmにすれば良かったのにと思う。レンズの前群も後群もおぼ同じ径で,サンニッパを思わせる迫力。製造年もメーカーも不明だがおそらく戦後間もない頃か。ちゃんとコーティングもしてある。しかし,銘板はシール状のもので貼り付けてあるだけというチープさ。おまけに,レンズぐるりに足りなくて継ぎ足してある!だが,レンズの造りそのものはそれほど悪くない。ガラスの透明度も良く,黒く澄んだ美しい瞳という感じだ。しかも特大。

さて,ツルプランを撮影に使えるよう何かのマウントをつけなければならない。ところが,このツルプランはレンズ径が前群,後群とも90mmほどもある。今手元にあるマウントは一番大きいものでもペンタックス67用のエクステンションチューブの72mmだ。しかも,内側にある突起物を考慮するとさらに小さい。
これではせっかくのイメージサークルがケラれてしまう。シノゴのボードを加工してホースマンに取り付けても良いが,それではホースマンでしか使えず,出番が少なくなる。EOS5DやE-3に取り付けて使うことも考えると,やはりペンタ67マウントが使い勝手がよい。例によってエポキシパテでペンタ67エクステンションチューブの一番短いやつを取り付けた。さて,巨大なレンズの中央しか使わないことになる。ところで,これって,開放F3.3を絞ったことになるのだろうか。それとも,F3.3の中央をトリミングしたことになるのだろうか。通常,絞りはレンズエレメントの中にある。もしくは,レンズエレメントの前にある。以前は,レンズエレメントの後ろだと,開放F値は変わらず,撮影画像の周辺がケラれると考えていた。しかし,ノボフレックスは絞りがレンズエレメントの後ろにある。さて,この場合はどう考えればよいのか?

撮影画像の印象として,非常に古いタダに近い価格の大口径トリプレットしては信じられないほどのシャープで素晴らしい絵だ。スペックの割には被写界深度は深い。と言うか,ピントの芯がよく分からないが,
芯をはずしても結構ピントが来ている。ソフトフォーカスレンズに似た性質だ。フードを自作すればコントラストも良くなるだろう。この手のレンズは使い勝手は我慢するしかないが,かなり楽しめそう。イメージサークルはシノゴを楽にカバーするので,アダプターを用意すればこれ1本でシノゴ,67,645,135に使い回しできる。