赤外写真と同時に複数のレンズでも撮影しました。
その1本がこの Leitz Hektor 200mm F2.5。
プロジェクター用のレンズなので絞り無し。
全て開放でフードも無し。
ピクセル等倍で見るとハイライトが見事に滲んでまるでソフトフォーカスレンズの様。
数百メートル先にピントを合わせているのにすぐ手前の桜のボケが原型をとどめている。
このレンズはピントが薄く,ピントを外すと大きくボケるのに,ピント面より遙か遠くや遙か手間の被写体は原型をとどめた不思議なボケ方をする。
最新のレンズの様なバリバリの解像感は望めないが,なんとも風情のある写真が撮れる。
堰の桜。
まさに満開。
玉川上水の撮影スポット。
定番のスポットは凄い人出なので一つ手前のスポットで撮影。
このレンズは絞りが無く,ピントが紙のように薄いので,奥行きのある被写体ではピント面をどこに持って行くかいつも悩む。
ピント面を中間距離より遠方に持っていくとあら不思議。
このレンズの真骨頂。
ピクセル等倍で見ると花びら1枚ずれても呆けているのに一番奥の旗から一番手前の提灯まで被写体はよく原型をとどめている。
本当に不思議なボケ方だ。
ピクセル等倍で見るときわめて薄いピント,モニター全体に表示すると逆に奥から手前までピントが深く見える。
ピント面を中間距離より手前に持ってくると,後ろボケが比較的大きいので普通のレンズに近い描写になる。
ただし,この場合後ろボケは二線ボケ傾向があり,あまり美しくないが,手前の描写は繊細で美しい。
実際のピント面が非常に薄いのに見かけのピントが大変深い不思議レンズ。
日本ではレア玉でほとんど見かけないが,海外のオークションでは玉だけがガラクタ扱いの激安で出ている。
ヘリコイドやマウントを自作できる方には是非お勧めのレンズ。
国内ではマウントやヘリコイドを加工したものがごくたまに出ているが,その場合数万円する。
250mmと300mmもあるが,さらに弾数が少ない。
見かけたら即決しないと二度と手に入らないかも知れない。
250mmの加工済みレンズが4万円で出品されていたので高いかなと少し悩んだ後もう一度アクセスしたらSOLD-OUTになっていた。
機材:MAMIYA ZD,Leitz Hektor 200mm F2.5,絞り優先オート。
最近のコメント