二つの巨砲 TELYT 560mmとNOFLEXAR 600mm その2
レンズヘッドは一見してTELYTの方が巨大だ。
絞り一段の違いでずいぶん差があるもんだと感心する。
それでも軽いから許せる。
LEITZ TELYTとNOVOFLEX NOFLEXAR,この二本は似ているようでも性格が異なる。
NOVOFLEXのフォーカシングユニット(フォローフォーカスシステム)はピストルグリップが二つ付いていて両手で保持。
一方,LEITZのフォーカシングユニット(テレビット)はピストルグリップが一つで片手保持。
この違いがものすごく大きい。
NOVOFLEXの両手保持はコントロールしやすく,被写体も追尾しやすい。
ピストルグリップにシャッターのトリガーが付いている点も使いやすい。
一方,LEITZの片手保持はかなり使いにくい。
ピストルグリップの位置がレンズの手前にあるため,いくら軽いと言ってもフロントヘビーになりレンズの保持が困難だ。
NOVOFLEXのショルダーストックは文字通り肩当てだが,LEITZのショルダーストックは腕を挟み込むような恰好で,これをテコにしてレンズヘッドを上に持ち上げるようだが相当腕力がいる。
これでトビモノを追跡するのは正直かなりしんどい。
ゴツイドイツのおっさんなら使えるかも知れないが,日本人には難しい。
手持ち専門でトビモノの追跡に向いたNOVOFLEX NOFLEXARに対し,LEITZ TELYTはいちおう手持ちも可能という程度で,一脚などと併用する方が使いやすそうだ。
また,NOVOFLEXは迅速なフォーカシングが売りだが,TELYTはラックピニオンノブも付いており,微妙で正確なフォーカシングが可能だ。
手元の資料によると,TELYT400mm640mmF5.6は1968〜73年まで製造されたのち,1970年からより軽量でフォーカシングしやすいF6.8シリーズに代わったようだ。
6.8シリーズは1990年まで製造されたらしいが,同年にF6.8シリーズのTELYTをNOVOFLEXのフォーローフォーカスユニットに組み込んで95年まで製造されたようだ。
この流れから見ても,オートフォーカスが出前する以前の望遠レンズのフォーカシングシステムとして,NOVOFLEXのフォローフォーカスシステムは最も実用的なものだったと言える。
事実,被写体が動いてもピントが逃げないので,現在でも条件によってはオートフォーカスより使いやすいこともある。
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